「投資」と「投機」

お金

まだコロナの騒動が大きくなる少し前に、シンガポールにいる長年の友人が香港まで訪ねてきた。その人とはもう何十年前に知り合って、そのときは彼のお子さんはまだ小さかったのだが、今ではそのお子さんも結婚してついに孫ができたぞと喜んでいた。
彼は大変有名な人のファンドを運用していたひとりだったが今では引退して、今度は自分の今まで貯めたお金を運用しながら悠々自適に生活をしている。
たまに私から日本の裏話とか聞くのだが、その時、最近運用はどうですかと尋ねてみた。「いやー普通の投資なんかとっくにやめてるよ。もう投資とかできる時代じゃない。まあせいぜいデイトレーディングさ。一日で処理する。今の市場はリスクがあまりにデカすぎる。オーバーナイトできない。」

よくヘッジファンドは素晴らしいと言うが、確かにいい時も悪い時も運用成績を上げることができる。ただリスクのヘッジだと勘違いしている人は昔から多く、ああいうものの運用の中身を見ればわかるが、実はヘッジだからローリスクではなく、現実にはハイリスク・ハイリターンを目指す運用で、ある意味ギャンブルに近いものさえある。しかも時々彼らが見せる過去の成績どころかシュミレーション、または未来予測のシュミレーションをよくよくみるといろんな疑問も浮かんでくる。時々、そのハイリターンを生む前提条件もとんちんかんでおかしな時さえある。
昔、たまに仲がいいその類のファンドの関係者にいろんな疑問を質問をすると、「そうしないと誰も買わないからな」と本音を言ってくる人もいれば、「そのかわり販売手数料も高いぞ」と言ってきたりもする人もいた。こういうものの手数料は元々高いが実はかなり高額な販売手数料が中に含まれているからなのだ。
こう言う上手い話を日本の大手金融機関も見逃さない。しかも驚くのはそういう連中よりもっとあくどかったりする。ただでさえ高い販売手数料の上に日本独自の大きな為替のスプレッドや別途の手数料を上乗せ、ただでさえ高い損益分岐点が一層高くなり、下手すると1割くらいそのファンドが高騰しないと1円も儲からないファンドも存在したこともあった。

そういえば、日本でやたら「投資」とか言っている人達がいるが、話を聞くと、ほとんどが「投資」ではなく「投機」だ。前述した友人も今ではある意味「投資」をストップして「投機」に転じているわけだ。まあ欧米でも、最近、その違いすらわからない人だらけになっているから、過去もいわゆる「リーマンショック」の一連のことが起きたわけだ。あの時は、「常識」の点から、どう考えてもおかしなことだらけだった。みんないろいろな「言葉」だけに踊らされて「本質」を見失って、ぐちゃぐちゃになっていた。そういう場合いつか必ずその「修正」がおこるわけで、あの時は実際におこったわけだ。まあ、何時の世も、そういう時はあるのだが、問題は、「ソフトランディング」なら良いが、「ハードランディング」なら悲惨になる。(だからその時は、実際はとんでもない方法で「ハードランディング」を避けたため、その一部が「不安定」のまま、今に至っている。)

英語で投資は”investment” 投機は”speculation”で全く違う単語だ。もちろんその語源も違う。もう「投機」と言った方が近い今の状況で今度は日本の国自体もここで一般の人にまで投資を勧めてきている。なんだか一般人の人々の税負担と同じで色々とまずくなってくると弱い立場の人間にも一層しわ寄せがくる。
そういえばFXやビットコインで儲けた話をよく聞くが、ギャンブルも同じで永遠に勝ち続けることなんてできないわけで、過去「カリスマトレーダー」とかおかしな肩書きの人が結構昔からいたが、かなりの人は消えていき、最後は詐欺師呼ばわりされた人も数多くいた。ただ自分としては、そういう人たちがどうのこうのというより、そういう話を大した勉強もせず信じて自称「投資家」を気取り、挙げ句の果ては被害者顔をする人もどうかと思う。なんでも自己責任。お金だけでなくもちろん命も・・・・。

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