Walk On By

音楽

バート・バカラックの音楽は、物心がついた頃から好きだった。特に60年代や70代のポップスが好きな自分としては、やはりここはドツボだ。あの、「いかにもバート・バカラック」という独特のサウンドがまた良い。そして、今でも聴くと妙に落ち着く。

ヒットメーカーとして本当に素晴らしい。
しかし単なるヒットメーカーではない。いつ聴いても、飽きなくて、「やっぱり名曲だ」と唸ってしまう曲が多い。

カーペンターズは飽きるほど聴いて、途中、本当に飽きちゃったことがあったが、そんな時でも今でも聴きたいと思う名曲は、「スーパースター」や「遙かなる影(Close to you)」で、よくよく考えたら、やはり彼の作品だ。ビートルズですらファーストアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」で彼の作品、「Baby It’s You」をジョンレノンがボーカルで歌っている。ビートルズのオリジナル作品でないけれどもやはりセンスがいい。
まだ彼が時に本人役として出演している映画、「オースティン・パワーズ」のシリーズも思い出したように見ることがある。通常DVDを買ってもせいぜい数回しか見ないのに、一体何回あのシリーズのDVDを見たことか。

その中、やはり彼の作品で、今は亡きホイットニー・ヒューストンの従姉妹、ディオンヌ・ワーウィックが1964年にヒットさせた、「ウォーク・オン・バイ(Walk On By)」という名曲がある。
それを、1978年当時、同じく大好きだったパンク・ロックのストラングラーズが、「Black and White」のアルバムの当時初回限定のボーナスEPで見事に、彼らのスタイルでこの曲をカバーしたのだ。
それをFMのある番組か何かで聴いて衝撃を受け、一発で気にいった。
この曲、シングルカットされたのだが、短く、そのフルバージョンは、当時、その初回限定のボーナスEPのみ。しかし、アルバムを買おうとした時、もうすでに初回限定のボーナスEPはついてなかった。
どうしても、フルバージョンが欲しくて欲しくて、輸入盤が売ってるショップやら、たまたま海外に行く人がいればこのEP付きのアルバムを探してくれと頼んだりと、とにかく血眼になって探し続けた。しかしその夢もはかなく、やはり最後まで見つからなかった。当時、確か日本はキングレコードだったと思うが、とにかく恨みに恨んだものだった(笑)。
なぜ、この曲が、そこまで好きだったか。このバート・バカラックの名曲を、まったく違う感じ、同じく大好きなドアーズの「ハートに火をつけて(Light My Fire)」と同じスタイルのロックで見事に編曲したからだ。この曲のシングルバージョンも、「ハートに火をつけて」のシングルバージョンと同じスタイルで短くしている。

この曲の歌詞は、元々、ある女性が別れた男性にばったりと会ってしまっうことがあっても、会ったら泣いてしまうので、その男性に(知らないふりをして)通り過ぎて行って、というストーリーなのであるが、そこが、また良い。
そして、最後に繰り返す言葉が、ディオンヌ・ワーウィックバージョンでは、「Don’t Stop(立ち止まらないで)」なのであるが、ストラングラーズバージョンでは、「You really got to go(本当に行っちゃってくれー)」である。曲調もあるが、たぶん男性と女声の立場の違いから、変えたのであろう。芸が細かい!

その欲しくて欲しくでたまらなかった、初回限定EP盤の曲も、アルバムがCD化され、今では、そのアルバムにちゃんとボーナスとして収録されている。そして彼らのベストアルバムでもほとんどちゃんとロングバージョンがおさめられている。逆にそのシングルテイクが貴重になったなと思ってしまう時もある。そんなものだ。

<ディオンヌ・ワーウィック版>

<ストラングラーズ版>

(追記) その大巨匠、バート・バカラックも2023年2月8日に94歳で永眠した。寂しい限りだ。ご冥福をお祈りいたします。

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