忍法!なりすましの術

お金

結局、その店はどうやら廃業したようで、実はその隣に別のライバル店があるのだが、とりあえず最初は、ウハウハ状態だ。確かにそのライバル店も行列ができる名店には間違いないが、その廃業した店にはかなわない。
ひょっとしたら、その廃業した店の後にできる新しい店も、実はスタッフが同じなのかもしれない(店舗名が違うということは、その店を売ったというわけではない可能性が高い。従業員を引き抜いたかもしれない)。そして以前の店と同じように営業するのかもしれない。これこそ、香港、「忍法!なりすましの術」だ。しかし問題は使う材料の質や値段で、そういう場合、もう以前とは違うというか、当たり前だが落ちる可能性がはるかに高い。
その話を以前書いた時、新しい店は出来上がってなかったのであるが、その後案の定、設備はそのまま、別の大陸系と思われる鴨やアヒルの料理の店になっていた。そうやってどんどん香港の昔の店が大陸からの新店に入れ替わっていった。そしてこの現象は今では他の国でも起こっていて、本当の意味が最近ようやくわかってしまった。

この話と関係ないが、香港の本当の名店は、実はOpen Riceでの評価は、そこまで高くないこともある。これは、やはり「ステマ」や評価を高くするカラクリなどを使う店とは別に、本当に良い店は他人に教えたくない上、逆にこれ以上、お客が増えないよう、「逆ステマ」をする人までいる。日本人ほど一部企業に儲けさせるような、お人好しではない。

話を戻すが、まあたとえ、レストランオーナーが同じでも、スタッフが全く入れ替わり、質もゲキ落ちというパターンはここ10年近く、よくある話ではあった。コスト削減のためだ。

「食の香港」、「やはり香港のレベルは凄い」というが、確かにそんな店も未だに存在するものの、詳しく話を聞くと、一体、いつの話をしているのかと思ってしまうことがある。
「香港は金持ちが集まる。だから食材が・・・」という人がいるが、じゃあ、今、誰が金持ちかで、その金持ちが好む味は?なのだ。(現実それから日本ですら「マジ中華」たるものが主流になってきた。この現象をよく考えてほしい。)

本当に香港はもう昔の香港ではない。昔は、中国大陸でいろいろな賞を勝ち取った凄腕のシェフですら、香港では単なる田舎者扱いだった。料理の腕というよりセンスという点だ。しかし、そのセンスの塊のような香港のシェフたちは、もう香港にはそれほどいない。引退されたり、もう亡くなられたり、他の国に行ったりだ。他の国でもそういう人たちは、そこで確かな腕をふるっている。また香港自体も、不動産が第一で料理など、どうでも良いのだ。とにかく「お金」なのだ。
だから、そんな状況がいつまで続くのかと思ったが、香港のそういうものが、後々蘇るどころか、現在、ますます中国化しているというか、まあ香港は中国なのだけれども。

結局、今の香港では、レストランとか、この「なりすましの術」がいろんな意味で正しい方法なのかもしれない。そして、まあ、レストランだけではなく、今の香港で香港人として生き抜くには、今までの方法では誰も助けてはくれない。でも、生きなければいけない。魂をどこどこに売ったとか非難されようが、その道で流れに乗って強いものにつき、賢く金儲けというのが、この時代の香港を生き抜くのには正しい方法なのであろう。
そして今では世界的にあちこちでこういう現象が起こっている。そしていつの間にか色々なものが入れ替わっている。

 

 

 

 

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